住宅市場コメント

2010年3月26日 (金)

市場回復の実感

様々な指標が前年同月比や前月比で改善傾向が見えてきた中、仕事の量も急速に回復してきており、市場回復を実感している。

分譲事業にも資金が付くようになり、賃貸の流動化事業にもファンドレイズの話しなどが目白押しで、直近の成約状況も堅調といった状況にある。

先日、クライアントに呼ばれて継続契約の打ち合わせをしたが、最後に「悪い話(減額・解約等)を想像していましたか?」と聞かれ、回答はお茶を濁したが、実のところは今時悪い話しをしているようでは遅過ぎて、回復に向けての活力に溢れた話しでないと物足りなさまで感じているのが本音だった。

そんな中にあって、仕事の依頼される内容は以前と少し異なっている。

過去の失敗に学ぼうという姿勢が随所に見られるというのが特徴である。

これはステイクホルダーとしては嬉しい限りである。

不動産事業のリスク管理が難しいことは歴史が証明していて、たとえ大手や急成長企業であっても例外ではない。

この課題はうちがマーケティングソリューションすべきものでもあり、その責をまっとう出来る様努力する所存である。

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2010年3月18日 (木)

住宅需要減退下の意思決定の難しさ

日本の人口は既に下落傾向となり、右肩下がりは数十年変えようがない状況にある。

首都圏などでは、流入人口の多さや世帯分離の進行に合わせて、当面世帯数が増え続けるものの、増加数は緩やかに下がっていくことが想定される。

日本全国でも、首都圏でも、人口・世帯数を基礎とする潜在需要は「ゆで蛙」のようにジリ貧となる。

但し、実際には着工の未曾有の落ち込みなど、市場の変化は非常に急激であった。

潜在需要からすると予想だにしない事態に最初は非常に戸惑ったものの、最近はこうしたショック療法的な乱高下がもたらした①プレイヤーの淘汰や②財務体質基盤の見直しや③リスク管理手法の改善はむしろ良かったのではないか、と思うようになった。

もしこれが、緩やかに沈没する船であれば、意思決定は迫られるものではなく、先送りされて、そのつけが社会に転嫁されるような状況になったのではあるまいか。

常に生き残っていくのは偶然ではない。

その必然性に立脚して、住宅産業に取り組む企業が多いことが社会的にプラスと考えたい。

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2010年3月10日 (水)

不動産に一筋の光

2010年1月の着工戸数が発表され、前年同月比の減少幅が大きく縮小しました。

この勢いが続けば、2月は前年比プラスになる可能性も充分にあります。

着工という新規供給の低迷がようやく終わり、上向いたことはとても明るい材料と言えます。

これも不動産にお金が流れ始めた結果なのだろうと思います。

賃貸住宅市場でも賃料の減額幅が2009年12月に約1年半ぶりに縮小に向かったことを今週プレス発表します。

各種経済指標が好転する中、底這い状態から離陸しそうな状況にあって、明るいニュースが重なることで、景気全体が底上げされ、二番底を回避できればそれに越したことはないでしょう。

この2年散々な市場を見てきただけに、この浮揚感を噛み締めたい今日この頃です。

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2010年1月13日 (水)

賃貸住宅市場の現状を把握する上で見るべき指標

賃貸住宅市場も不動産市場の激変の中で需給バランスが崩れている。

市場をウォッチする上で、大局的に状況を正確に把握するために、見ている指標が3つある。

第一に、景気ウォッチャー指数。

いわゆる街角景気で、景気の実感値に近い数字で、変動の大きな高額賃貸市場などは遅効性を持って連動することが分かっている。

リーマンショック以降の落ち込みから反発傾向は見られるものの、その動きは弱く、回復に時間が掛かることを予見させてくれる。

第二は、定期給与指数。

雇用環境の急激な悪化は変動幅の少なかった給与が3%程度も下がるショッキングな動きをした。

給与が下がれば、最も高い出費である賃料を減額する方向に向かう。

その傾向は賃料の指数に現れてきており、目先3%減が落ち着きどころではないかと考えている。

第三に、消費者物価指数(CPI)がある。

政府のデフレ宣言があったが、物価が下がれば賃料も例外ではなくなる。

これは長期的に連動していることが明白で、バブル崩壊前までは一本調子に上がっており、その後はほぼ横ばい傾向にある。

直近の数値は緩やかなダウントレンドで、上向きに安定することが望まれる。

これら3つの指標を見ていると、市場の変化を見誤ることがないので、参考にしてもらいたいものである。

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2009年11月 4日 (水)

年金資金流入

最近、年金資金が賃貸住宅(レジデンス)投資に向いていると聞くことが多くなりました。

理由は消去法らしく、リーマンショック前後で投資商品のボラティリティが高くなり、株でもなく、REITでもなく、その他商品でもない状態になり、安定したインカムゲインを見込める実物不動産投資が最もリスクが少ないという判断に到っているようです。

実物投資の中でも、賃料の底が見え難く変動幅の大きなオフィスではなく、賃料の安定性が高いレジデンスが選択されているという状況です。

不況下において賃貸住宅のダウンサイドリスクの低さに起因する資金流入は歴史的にも明白ですので、妥当な判断ではあります。

但し、賃貸住宅の賃料ボラティリティの低さは過去の指数などから結果については異論はないものの、なぜそうなるのかという原因については検証・理解は充分にされていないのが現状です。

これを断言する理由は、因果関係について立証したのは弊社だけなので、うちが教えたところ以外は知らないはずだからです。

消去法ではなく、積極的な意味での投資が始まることを望んでやみません。

その先には物件選定方針の策定、ポートフォリオ構築方針の策定と必要性の高い判断が続くことになります。

安定運用とは「言うは易し。行うは難し」。結果オーライでない運用方針は策定可能なことはここに伝えておきたいと思います。

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2009年9月 3日 (木)

投資戦略ありき

最近のファンド立ち上げやスポンサーの移行に際して、投資戦略に明確な意思がないことに懸念を感じざるを得ません。

投資基準や戦略ありきではなく、購入検討案件ベースで都度考えているような状況は望ましいことではありません。

高額賃貸住宅市場が大きく崩れる中、安定的な立地というのも明確になってきました。

オポチュニティを狙うなら、高額賃貸の底をいち早く知ることが重要です。(弊社ではこの予測をしています)

コア投資で安定運用を望むなら、立地やタイプなどの基準作りをすることで実現可能です。

情報が揃い、背景も分析から明らかになってきた中で、投資家へのアカウンタビリティはまだまだ改善の余地があるように感じています。

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2009年9月 2日 (水)

賃貸住宅が再び脚光を浴び始める

「オフィス市況が悪くなれば」と以前書いたが、空室率が急上昇し、賃料も相当に弱含んでいる。

景気後退期はダウンサイドの小さなセグメントへの投資が増える。

それが賃貸住宅であることは欧米のリートが証明してくれている。

日本でも賃貸住宅への投資意欲が強まっており、状況は変わりつつある。

但し、プレイヤーはこれまでの会社から、(過去の手負いのない)新興の会社へと移りつつある。

市場は変化していくものの、物件はオーナーやAM会社が変われど、存在している。

うちもニーズを先取りしながら、サービスを切り替えつつある。

マーケットに遅れることなく、先んじて進めていければ、より円滑な市場の発展に寄与できるのではないかと考えている。

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2008年11月18日 (火)

オフィス市況に注目

最近、オフィス市況の動向に注目している。

なぜかというと、住宅への投融資が凍りついている状況打開策がそこにありそうだからである。

住宅へのお金の廻りが悪い中で、うちは正攻法に賃貸住宅市場のファンダメンタルの強さを説明してきたが、状況は悪くなる一方だった。

市場分析が間違っていた訳では決してない。

投融資の優先順位において、住宅が最も低かっただけである。

優先順位は相対的に決まるので、オフィス市況が崩れれば住宅にお金が廻る可能性が高まる。

空室率が徐々にではあるが確実に上昇しているオフィス市況は09年に潮目が転換している可能性が高い。

賃料のボラティリティが高いオフィスは下がる時のインパクトも大きい。

さあ今後どうなるか、興味深くウォッチしようと思う。

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