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2011年7月11日

2011年7月11日 (月)

「賃貸収益最大化手法としてのイールド・マネジメント」(7/11)

欧米には賃料適正化ソフトがある。賃貸管理システムにバンドルされていて、適性賃料を教えてくれる。
適性賃料とは賃料収入を最大化させるからこそ適性ということになる。
これはエリア市況や競合物件の条件設定や自社物件のポジショニングなどから判定される。
そうしたソフトの売り文句には2~5%収入が増えていると書かれている。
これだけ、収入が増えれば、そのソフト導入コスト以上の成果が期待できる、つまりお釣りが来る話となる。

こうしたレベニューマネジメントは「イールド・マネジメント」と言われている。
代表例は、航空会社やホテルなどのコストが固定的な業界で積極的に行われている。
その意味では、賃貸不動産業界でもコスト構造として同じ境遇ということになる。
航空会社では、駆け込みで正規料金を払うもしくはビジネスクラス以上が使われる席数を統計的に算出し、これを一定量残し機会利益を最大化しておく。
1フライトのコストはほぼ一定なので、席はなるべく埋めたいが故に、早割などの早期顧客囲い込みによる席数の販売を併せて行う。
こうして、全日空では80億円売上を伸ばしたと言う話もある。
ポイントとなるのは、①需要予測ができること、②価格弾力性の肝をつかむこととなる。

こうしたことが日本で可能であるかというと、もちろん可能である。
そこに必要なものは、①市場を把握するためのデータ蓄積と②業務の深い理解と③高度な統計技術の3つとなる。
この手の話は昨年からニーズが高まってきており、これまでの担当者の経験と勘から一定の業務水準まで向上させようという意図が明確にある。
いわゆる暗黙知を形式知とする試みであり、そうすることで収益も改善するのだから、やらないという選択肢は無いように思う。
「イールドマネジメントで収益最大化が可能であると分かっているのに、それを怠る」とJREITやファンド等では投資家に対する忠実義務、説明責任が問われる。
また、サブリース事業を行っている企業では、自分たちの利益の確保には賃料収入の最大化しか手はない。

実は上記を読んでもらっても、本当に大事なところは書いていない。
不動産には財の個別性が強いなどの特徴があり、簡単には行かないからこそ、業務改善が遅れている実態がある。
うちにとっても、そのソリューションが競争の源泉である。
また、導入するにあたって、その定着には業務・システム・制度の設計・運用指針策定などが必要になる。
不動産運営事業のマネジメントのあり方に問題意識がある方に、是非検討して頂きたい。

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