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2010年9月29日

2010年9月29日 (水)

KPIをマネジメントに(9/29)

賃貸住宅のAM・PM業務は、担当任せで、「周辺情報を集めて適切に運営している」としか言いようのない運営に終始している会社が100%に近いだろう。

最近、うちのクライアントが導入しているマネジメント手法は、

KPI(Key Performance Indicators)と呼ばれるものに相当する。

KPIは重要業績評価指標と訳され、例としては「顧客毎の平均収入をいくらにする」と言ったことを決め、これを達成するために「新製品投入」といったアクションを取るといった形で運用される。

参考 wikipedia

実際の方法としては、うちのサービスに賃料査定があるが、これを全物件・全住戸のレントロールと募集条件に四半期毎に算出し、市場相場に対して物件がどのようにパフォームしているか、を分析している。

会社によっては10万戸近くをまとめて行っているところもある。

マネジメントとしては具体的に取るリーシング施策を事細かく指示することはできず、担当がどのように実現するかは委ねることになるが、サブマーケットから算定された目標値があると、適切な落としどころを目指さねばならなくなる。

適正水準よりも賃料が高くて稼動を悪くするケースや稼動はいいが賃料を安くし過ぎて機会損失をするケース(これが目立ちにくいが効果が大きい)を極力少なくし、全体のNOIを上げることができる。

例えば以下のように設定する。

当該物件が相場よりも賃料が5.5%高く、稼働率96%の物件は105.5×96%=101.28がインカムとなる。
相場は賃料100×平均稼働率92%なら92となり、この物件のKPIは101.28÷92=110%となる。

「この物件は常に変動する市場の平均インカムから当該物件は10%高く保ちなさい」、というのがマネジメントからの指示となる。

これには副産物(派生効果)がある。

担当レベル・マネジメントレベルの共通指針となるだけでなく、経営指標が見える化することで、投資家に対するアカウンタビリティ向上につながる。

例えば、オーナーに対して一般管理をしている物件の賃料設定の相談も

「相場が下がっているから下げてくれ」では通らず、

「自分たちは目標(KPI)を達成しているが、相場の変動に対して適正賃料を設定しないと、オーナーのインカムが減ることになります」

と説明するのとでは雲泥の差になる。

AM・PMの業務履行水準に対して懐疑的な投資家・オーナー・運用者は多い。

フィーの妥当性をアピールし、相互信頼を醸成するためにも、KPIは今後問題意識が強い優良企業から導入されていくことだろう。

他業界では一般的な手法が不動産業界にどの程度浸透するかは見ものだが、これを導入するにはトップならびにマネジメント層に負うところが大きいことだけは最後に記述しておきたい。

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